2009年2月17日火曜日

眼瞼下垂(皮膚切除)

仰臥位でデザインする。
重瞼線(瞼縁から約5-6㎜程度頭側)に切開線を置く。内・外眼角付近で頭側に切り上げる。この尾側の切開線から、眼瞼中央で、余剰な皮膚を摂子でつまんでみる。その状態で上眼瞼がlagoを呈さないことを確認する。尾側の切開線から摂子で余剰皮膚を押し上げてみたりして確認する。摂子でつまんだ皮膚量を計測、そこから5㎜程度引いた幅を切除することになる。内眼角では控えめに、外眼角では多めに(というか、外側でdog earを修正することになる)切除する。内眼角は越えず、外眼角は超えた範囲まで皮膚切除をする。
切開は尾側から行うか。出来れば瞼縁に糸はかけたい。
皮膚のみを切除する。眼輪筋は残す。
止血後、中央、外側、内側を3カ所6-0ナイロンで結節仮縫合する。この時点で坐位として、開瞼具合を確認する。
十分であれば、また仰臥位として、連続縫合、終了となる。

2009年2月6日金曜日

bilobed flap

欠損部の側方に回転軸をおく。欠損部から回転軸を離した方がdog earはちいさくなるが、実際にはそういうわけにも行かないだろう。1st lobeは欠損と同じ大きさに取る。が、実際には回転半径よりやや長く長軸を取った方が良い(transposition flapの要素が加わるため)。欠損部と1st lobeの間は、若干トリミングされることになる。2nd lobeは、欠損部から、回転軸を90度ずらした軸を中心に取る。幅は欠損部の8割から8割5部程度に設定する。また、長軸は、欠損部の長軸長さより、1割り増し以上は長く取るべき。2nd lobeは、皮膚に余裕のある部分にデザインしなければならない。
皮下剥離は皮弁周囲にも広めに行う。

2009年2月5日木曜日

肘部での内シャント設置

切開は、上腕動脈表在化からの切開を延長するようなデザインで、肘関節遠位におく。やや肘関節に沿うような感じ。上腕橈側に走る皮静脈をシャント血管とする。肘部でその皮静脈を見いだし、剥離していく。すると、深部に向かう太めの枝があるので、それを追っていく。途中数本の細い枝があるが、それらは処理して良い。橈骨動脈の拍動を感じつつそちらに向かっていくことになる。動脈に到達すると、同時に、剥離していた交通枝と、橈骨動脈の伴行静脈が合流する。この交通するT-portionで、交通枝を結紮・切離する事になる。
橈骨動脈を伴行静脈から剥離していく。この際、上腕深動脈への反回動脈も確認できる。これは切離せずにおく。
橈骨動脈と伴行静脈をシャントするが、この際、橈骨動脈は深いため、挙上しなければならない。バックグラウンド、ブルドッグ鉗子で上がれば良いが、それで上がらない時は、動脈の下に曲がりのコッヘルなどを挿入する手もある。なお、反回動脈は切離しないが、3-Aの動脈クリップで遮断しておく。
以降は特に標準的内シャントと変わったところはない。
交通枝(静脈)と橈骨動脈が端側吻合しがたい場合は、反回動脈と交通枝を端々吻合する手もある。

2009年2月4日水曜日

顔面神経麻痺静的再建(眉毛挙上)

デザインであるが、まず座位で行う。正面視時の健側と患側の眉毛上縁の高さの違いを測定する。恐らく1㎝以内であろう。理論上はその高さが切除上縁となるが、実際にはそれから2−3㎜程度追加して良い(そのため、手術終了時には左右差が生じる)。内側は眉毛内側縁に及ばないあたりまで、外側は、ドッグイヤーを修正するため(外側で修正することになる)、眉毛外側より長めに延長される。形は上眼瞼皮膚切除と同様な形になる)。
皮膚切開は全周で一気に行う。前頭筋上で切除していくが、層を観るためには、頭側から切除していくと見やすい。特に大事な組織は無いため、止血はまめに、blindで行っても良い。皮膚は一応保存しておく。
つり上げは3カ所程度で行う。まず頭側の骨膜に針をかける。糸は針の大きい4−0ナイロンを使う。刺入部は、モスキートで前頭筋を分けて、皮膚切開部直下の部位を明らかにして、骨膜にしっかりとかける。尾側は、眉毛部の皮下を2−3ミリ剥離して、そこの真皮にかける。ややnotchができるくらいでも良い。全カ所かけ終わるまで、結ばないで置いておく。
全てかけおわったら、仮に結んでみる。その時点でいったん座位として、開瞼・閉瞼させてみる。少しlago気味でもかまわない。
状態を確認したら、仰臥位にもどして、皮膚を5−0PDS、6−0ナイロンで縫合する。
縫合が終了して、まだ上眼瞼の皮膚が余剰であるなら、重瞼術を考えても良い。