2009年4月13日月曜日

上顎骨骨折(眼窩下縁から梨状孔縁にかけての骨折)

切開は、睫毛下切開及び口腔前庭切開(これは犬歯付近で切開する)で行う。
まず眼窩下縁の骨折状態を確認する。骨膜の剥離はあまり外側まで広げる必要はない。プレートが入るくらいの範囲で。眼窩内側壁まで骨折線は確認する。眼窩底骨折の範囲も確認する。
口腔前庭から、骨膜下に剥離を行い、骨折線をみる。骨折部にエレバラスパをいれて、動かせるようにする。梨状孔縁を骨膜下剥離しないと骨片は受動出来ない。このとき、鼻腔粘膜は出血しやすいため、出血してしまった場合はボスミンガーゼを充填してしばらく待つと良い。
この梨状孔縁の剥離部に単鈍鉤を入れ、骨折線に引っかけて持ち上げて整復する。当然このとき助手に頭は押さえてもらう。
だいたい整復できたら、眼窩下縁の状態も参考にする。鼻柱の対称度や、眼窩内側の左右対称性も触診する。
プレーティングは、眼窩下縁から行う。頬骨骨折と同様。次いで、梨状孔縁のバットレスも修復する。遊離していなければ、第3骨片も止める。まず尾側で一カ所、骨折線に近いところを仮止めし、次に骨片を固定する。おそらく最頭側を一個固定することになる。第3骨片も固定した後、尾側を追加固定し、最初に止めた仮止めを閉め込む。