2008年10月26日日曜日

内シャント設置術

以下左に作成することを前提とする。
手台の頭方に顕微鏡を設置。
橈骨結節の約4センチ近位に横切開をおく。切開はまず皮膚全層をとる。出血点はモスキートで把持して止血。眼科用クーパーで皮下組織を切開する。橈側皮神経に注意。浅筋膜を切開すると、橈側皮静脈を確認できる。しづらいと思われる際には、駆血帯をまくと確認しやすい。
静脈は一カ所、モスキートで外壁に当てるようにして裏面をだす。対側も同様にしてトンネルを作成する。ここに血管テープを通して把持する。助手に近位または遠位の皮下を筋鈎で引かせる。テープを把持して、静脈外壁にモスキートを当てて剥離を進める。適宜枝を処置する。ある程度剥離が進んだら、眼科用クーパーまたはマイクロ用尖刀で、外壁表面を鋭的に剥離する。この剥離部から、周囲組織をすくって、切離していく。これにより周囲組織の剥離が進む。近位・遠位ともある程度すすんだら一時剥離を中断する。
動脈も同様にして筋膜に達し、血管テープを通す。壁がしっかりしているので、テープが通せたらすぐに外壁と周囲組織を鋭的に剥離して良い。ただし、特に裏面に枝が出ているので確認して、5-0ナイロンで結紮すること。剥離は基本的にダブルクリップが通せるくらいの範囲でかまわない。
動脈・静脈間の皮下組織を切開する。皮神経のみ気をつければよい。
ここでマイクロを入れる。
まず静脈を剥離する。皮膚皮下組織に開瞼器をかけると見やすいこともある。基本的に助手に筋鈎を引かせるが。助手に対側の壁周囲組織を把持させてカウンターをかけ、マイクロ尖刀で剥離する。ただし、基本的に吻合部周囲のみ剥離すれば良い。
十分だと思われたら、動脈の剥離に移る。これも吻合予定部周辺を鋭的に外膜露出させ(一カ所切開、そこから剥離)るだけで十分である。静脈側の壁を中心に。
この時点で、静脈近位を3-vのクリップで駆血する。出来るだけ遠位を引き出し、モスキートで把持、直のマイクロ尖刀で切断する。遠位断端は4-0シルクで結紮。吻合断端を助手に一方を把持させ、術者が対側を把持。クリップを一時外し、拡張子を通す。拡張子を通す際、およそ先端が皮膚切開部を通るくらいまでは血管壁を把持しておかないと(テンションをかけておかないと)通らない。以降は静脈の走行にそって拡張子を進めていく。
拡張が終わった時点で、開瞼器をかけ、白い穴あき圧巾をかける。圧巾は生食でしめらせる。動脈にダブルクリップをかける。
静脈断端は結局切除するので、ある程度把持してもかまわない。ここにテンションをかけて(助手にも持たせる)、鋭的に外膜のみを露出させていく。
静脈を動脈壁に移動させ、あまりたるまないで吻合が出来る事を確認したら、静脈断端を切離する。枝やクリップの位置を参照に、ねじれないように注意する。
動脈壁を切開する。約4㎜、ノギスで測定する。11番メスで外壁、内壁を貫通するようにする。貫通すると出血が有るはずである。すくうようにして、全層切開とする。静脈側の壁を曲がりマイクロ尖刀で全層に切開を広げる。断端が垂直になるように注意する。
血管吻合に移る。右側から8−0プロリンで結んでいく。やや静脈側からかけていくと良い。糸は切らないで、次に左側を同様に縫合する。これはやや長めに糸を切ってもらう。手前側の静脈壁にプロリンをかける。これは動脈にはかけないで、糸も切らずに剥離子で把持して、カウンターをかけて後壁を露出させる。切らないでおいた右側のプロリンで後壁を連続縫合していく。最初の一針は、前の刺入部より手前側、外側から入れるような感じで動脈を刺す。動脈全層をすくっていることを確認する。次に、できるだけ手前の静脈壁から刺入する。きちんと全層さす。動脈壁も全層ひろうようにする。ここが漏れやすい。以降、連続縫合を進める。左端では静脈内壁から外壁に出し、左端の縫合していた糸と結ぶ。
中央の把持していたプロリンを動脈壁を通し、縫合する。以降は単結節で縫合していく。
静脈、動脈のクリップを外す。漏れがないことをかくにんしてから動脈のクリップを抜去する。
静脈のkinikigしている点を外壁周囲で剥離、また、皮下組織も剥離して、真皮皮膚縫合とする。強い圧迫包交は行わない。

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